バッハ :フランス組曲 第1番 クーラント BWV 812

Bach, Johann Sebastian:Französische Suiten Nr.1 Courante

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:クーラント
総演奏時間:1分30秒
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解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (869文字)

更新日:2018年3月13日
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1小節目、1-2拍目ソプラノの AGFEFDが主題になっていて、それが転回したりカノンになったり、また様々な形や調で現れます。声部は基本的に4声体で書かれています。1-10小節目までの前半で、最もテンションが高まるのは3-4小節間で、2小節目3拍目よりシークエンスに近い書法で冒頭よりも1オクターブ高いAまであがります。この後は、和声も穏やかな和声となり(6-7小節目)、10小節目で再び冒頭と同じ高さのAに戻ります。故に、流れを3-4小節間でピークに達し、それから10小節目に向かって徐々にテンションを下げてくると良いでしょう。

後半、11小節目、主題の転回形から始まり、13小節目で少しテンションが上がりますが、そこから徐々に下がり、16小節目に達します。ここが1つのカデンツ(終始の部分)になり、g-mollのトニックで終わります。そしてそこからシークエンス上行形を辿り、19-20小節目辺り、最もテンションが高まり、下行してきて終わります。ダイナミックの流れはこのような形になります。

テーマを扱うとき注意することがあり、テーマの最後の音にアクセントを付けないようにします。仮に、テーマが1小節目より「AGFEFDBBA」と仮定したとき、最後の音であるAは、2小節目の1拍目に来ていますね。この音にはアクセントを付けないように、前のBよりも柔らかく弾きます。

同様に、7小節目1拍目のソプラノDとか、10小節目1拍目のソプラノA等にはくれぐれもアクセントを付けないように気をつけます。このように考えていくと、3小節目、1拍目、バスの付点2分音符のAは、2小節目から始まる左手の主題の最後の音です。本来であれば消えていく音であるのですが、流れを見たとき、3小節目はテンションの高まる部分でありますから、流れを鑑みたとき、決して弱い音では無いと考える考え方もできます。その辺は奏者に委ねられる部分です。

曲は、やはり横に流れるべき性格を持っておりますので、このクーラントに書かれてある8分音符はくれぐれも硬くならないように気をつけてください。

執筆者: 大井 和郎

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