ホーム > バッハ > 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 > 第2番 前奏曲とフーガ ハ短調

バッハ :平均律クラヴィーア曲集 第1巻 第2番 前奏曲とフーガ BWV 847 ハ短調

Bach, Johann Sebastian:Das wohltemperierte Clavier, 1 teil, 24 Praludien und Fugen Prelude und Fuge Nr.2 c-moll BWV 847

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:3分40秒

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:21件
  • クリックして画像を開く
  • tab
22500 1

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (2287文字)

更新日:2018年3月12日
[開く]

第2番 ハ短調 BWV847   プレリュード:  テクニック的にも音楽的にもわりとやっかいなプレリュードです。このプレリュードのように、分散和音が並んでいる曲の場合、分散和音を分散させずに1つの和音として弾いて見ると構成がよくわかります。例えば1小節目、非和声音はDとし、この小節はC Es G で構成されていると仮定します。2小節目は、C F As、3小節目は、H D F As、4小節目は再びC Es Gです。和音記号で表すと I. IV vIIo7 I. になりますね。そこでこの4小節間のダイナミックを決定することができます。すなわち、4小節目の主和音は、3小節目の減7の解決ですから、弱く弾きます。あとは、2小節目と、3小節目ではどちらがテンションが高いかなどを考えて、この4小節間のダイナミックを決定します。  後にシークエンスが続き、音は小節毎に2度ずつ下行して行きます。21小節目辺りから徐々に上行して28小節目のprestoに達します。後にはカデンツになります。その下行の仕方ですが、例えば、5小節目のメロディー音であるEsは6小節目に至りDに下行します。7小節目のメロディー音Dは、8小節目に至りCに下行します。このような2小節単位のシークエンスを辿りながら徐々に下行しますが、2小節単位では、後ろの方の小節のメロディー音が前の小節のメロディー音よりも大きくならないように、できることであれば小さくなるようにします。そしてその2小節間の秩序を守りながら、徐々にディミニュエンドをして21小節目に達します。  その他注意点としては、34小節目のカデンツです。これはピッタリと4分の4拍子で書かれています。余計なリズムは一音としてありません。奏者は、2拍目、4拍目、をしっかり把握して、最初は音価の通りに演奏し、慣れてきたら即興的に、メトロノームのようにはならないように弾くのですが、最初にそこに書かれてあるリズム=音価を理解した上での話ということを忘れないで下さい。  音楽的な解釈ですが、c-moll(短調)とは言え、決して暗い雰囲気ではなく、むしろ活動的に、楽天的に演奏しても良いと思います。 フーガ:  このフーガはズバリ初心者に最適なフーガです。シンフォニアを終え、平均律に入る学習者はこのフーガから入ると楽です。  アーティキュレーションは主に2種類考えられます。冒頭1小節目をご覧下さい。1拍目裏拍の16分2個はレガートで、2拍目の8分音符2つはスタッカートにします。次に3拍目でオプションが分かれます。3拍目に書かれてある、8分音符+16分音符2つのパターンはこれ以降、多く出てきますが、この8分音符をレガートで16分に繋ぐアーティキュレーションと、8分をスタッカートにしてしまうアーティキュレーションがあります。どちらを取っても構いませんが、一度決めたのであれば、終始そのアーティキュレーションを守ると、素材の存在がハッキリします。技術面において、簡単なアーティキュレーションは、8分もスタッカートにしてしまうほうが後々楽になります。  さて、3声ですのでそれぞれの声部は独立していなければなりません。せっかく3声が異なった声部で書かれてあるのですから、それが秩序を持たずしてごっちゃまぜになるような演奏ではいけません。故にアーティキュレーションはどのような状況においてもしっかり守らなければならないのですが、例えば、8小節目をご覧下さい。1-2拍間、16分音符は左手に出てきますので、これは単純にレガート、そして2拍目をスタッカートで簡単に演奏できますね。ところが、3-4拍間、アルトの声部に16分音符があり、それはレガートに処理したいところなのですが、ソプラノが同時にスタッカートで登場しています。3拍目、ソプラノはスタッカート、アルトは、16分をレガートにしなければなりません。コツとしては、究極にゆっくり部分練習をします。3拍目裏拍のCとFをまず同時に弾き、Fを伸ばしたままでCを短く切るようにします。Fを押さえたまま、Cを短くスタッカートで切る練習をしてみて下さい。  教師の皆様は、このフーガを典型的なフーガとして指導するにあたり、合唱団に例えると良いかもしれません。仮に、3声の曲が3部合唱であるとして、声部が増えて行くに従って音量も大きくなると仮定すれば(歌う人数が増えるので)、7小節目に至って始めて3つの声部が一緒になる部分では、ダイナミック的に大きくして良いと指導します。故に、1小節目2小節目は、さながらパイプオルガンの高音域のように静かに始まり、3小節目で2声になるので少し音量を上げ、7小節目でフォルテくらいに持って行くようなダイナミックで良いと思います。  3声が一緒になった後は、9-10小節と2つのシークエンスを経て、11小節目においてEs-durに転調します。Es-durのセクションでは、C-mollよりも柔らかく、軽いカラーで良いと思います。その後、13-14小節と再び2つのシークエンスを経て、15小節目においてG-mollに転調します。各調によって音質を変えるようにするのですが、G-mollは割とテンションの高い、鋭い音で良いと思います。アーティキュレーションは16小節目においても厳格に守ってください。  20小節目に至った後はC-mollが最後まで続きます。29-31のcodaは左手にオクターブのCがありますね。ここはパイプオルガンで言えば、最も太いパイプが鳴っていると思ってください。

執筆者: 大井 和郎

楽章等 (2)

前奏曲

調:ハ短調 

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

フーガ

調:ハ短調 

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

楽譜 (8件以上)全件みる