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バッハ :幻想曲 BWV 919 ハ短調

Bach, Johann Sebastian:Fantasie c-moll BWV 919

作品概要

出版年:1843年 
初出版社:Peters
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:幻想曲
総演奏時間:1分15秒

解説 (1)

執筆者 : 朝山 奈津子 (553文字)

更新日:2007年9月1日
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プレラーの手稿譜に伝えられる。(ヨハン・ゴットリープ・プレラー(1727-1786)はバッハの弟子の世代に当たる音楽家で、彼と兄弟弟子ヨハン・ニコラウス・メンペルが作成したオルガンとクラヴィーアのための楽譜帖は、バッハの創作を再構築する上で重要な資料となっている。)プレラーは作曲者を「ベルンハルト・バッハ」としており、この名に当てはまる作曲家としてはJ.S.バッハの再従兄弟でアイゼナハで活動したヨハン・ベルンハルト(1676-1749)か、あるいはJ.S.バッハの夭逝した息子ヨハン・ゴットフリート・ベルンハルト(1715-1739)が考えられる。アイゼナハのヨハン・ベルンハルトとする説が一般的だが、音楽内容がJ.S.バッハにきわめて近いことから、バッハの息子の作、あるいは誤って伝えられているだけでバッハ自身の作品である可能性は棄てきれない。

全体は2声、わずか25小節の簡潔な作品だが、順次進行と跳躍、上行下行と同音反復を適度に含むバランスの取れた主題を持つ。J.S.バッハはこうした可能性の豊かな主題をひらめく天才だった。また、主題の前半と後半を対位法的に組合せるやりかたは、まさに「インヴェンション」と呼ぶにふさわしい。作曲者をあれこれと詮議するまでもなく、短く引き締まった理知的な作品である。

執筆者: 朝山 奈津子
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