ドビュッシー :プレリュード(前奏曲)集 第1集 デルフィの舞姫たち
Debussy, Claude Achille:Préludes 1 "Danseuses de Delphes"
解説 : 白石 悠里子 (738文字)
デルフィの舞姫とはドビュッシーが好んでいた、バッカス(ディオニュソス)神の3人巫女が描かれたギリシャ彫刻のことである。第1部(第1-10小節は)は、各5小節の2つのセクションで成り立っている。第1エピソードは、2拍目にアクセントが置かれるサラバンドのようなゆったりした2小節、付点の旋律と平行和音から成る3小節の5小節からなる。第2エピソードは第1エピソードの再現であるが、オクターヴ上の音高で提示され、発展を見せる。第2部(第11-24小節)は、保続された主音のバス上を行き交う付点旋律と平行和音による第1エピソード(第11-14小節)、内声の付点旋律が際立つ第2エピソード(第15-17小節)、pppに向かって静けさが増していく第3エピソード(第18-20小節)、経過的な第4ピソード(第21-24小節)という、4つのエピソードの推移で構成される。第3部(第25-31小節)はコーダの役割を持ち、楽曲の冒頭が思い起こされて楽曲を終える。
【譜例1:冒頭】[1]
【譜例2:第2部冒頭、第11-12小節】
【譜例3:第3部冒頭、第25-26小節】
[1] 本解説で使用した楽譜は次の通りである。
Claude Debussy. 1910. Préludes. Livre 1, Paris: Durand et Cie, D. & F. 7687, accessed 15 December 2019, International Scores Music Library Project, http://conquest.imslp.info/files/imglnks/usimg/c/c0/IMSLP00509-Debussy_-_Preludes,_Book_1.pdf.
プレリュード(前奏曲)集 第1集 1. デルフィの舞姫たち