スクリャービン :10のマズルカ 第7番 Op.3-7 ホ短調
Scriabin, Alexander:10 Mazurkas Con passione e-moll Op.3-7
解説 : 山本 明尚 (231文字)
冒頭の主題は半音階下降と減7度の上行を軸としている。旋律のリズムは素朴だが、それだけに用いられている音程の独特な色彩が引き立つ。主題の反復部分では中声部に対旋律が加えられ、音楽に陰影が生みだされる。対比をなすハ長調のトリオは、ダイナミックな伴奏形が際立っている。ソ連のスクリャービン研究家ルプツォーヴァは、このトリオにワルツ的なリズムが用いられていると指摘しており、それこそがショパンやリャードフのマズルカに見られないスクリャービンのマズルカの特色だとしている。