ショスタコーヴィチ : 24のプレリュードとフーガ 第19番 Op.87-19 変ホ長調
Shostakovich, Dmitry Dmitrievich : 24 Preludes and Fugues No.19 Es-Dur Op.87-19
作品概要
解説 (1)
解説 : 山本 明尚
(349 文字)
更新日:2021年1月9日
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解説 : 山本 明尚 (349 文字)
更新日:2021年1月9日
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前奏曲(アレグレット、1951年1月26日完成)の厳粛な冒頭部分から聞こえるのは教会風の合唱である。それと対比されるのは、引き伸ばされた終止音のバスの上で奏でられる諧謔的な楽句である。とりわけメゾ・スタッカートの指示と半音階的な声部進行がアイロニックに響く。
フーガ(3声、モデラート・コン・モート、1951年2月3日完成)はF♭によって形成された増二度下行を含む主題がいかにもグロテスクに響く。2+3と3+2のフレーズを行き来する5拍子による不均衡なリズム、フォルテによる強奏も異様な雰囲気を助長する。強拍を欠いた対唱は、フーガ全体に個性的なリズム感を与えている。バスのトニック・ペダル上で穏やかに終止する本曲であるが、リズム感や臨時記号が付加された響きにより、終止の解決感は至極曖昧にされている。
執筆者:
山本 明尚
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