ショスタコーヴィチ : 24のプレリュードとフーガ 第18番 Op.87-18 ヘ短調
Shostakovich, Dmitry Dmitrievich : 24 Preludes and Fugues No.18 f-moll Op.87-18
作品概要
解説 (1)
解説 : 山本 明尚
(387 文字)
更新日:2021年1月9日
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解説 : 山本 明尚 (387 文字)
更新日:2021年1月9日
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前奏曲(モデラート、1951年1月21日完成)は、緩徐な舞曲調で古式ゆかしい風格が漂う。中間部では、唐突に速度をアダージョに落とすと静かで荘重なホ長調に転調し、再び冒頭の楽想へと回帰していく。終結部は上声部にA音、最下声部にA♭音が置かれ、長調とも短調とも判断のつかない不思議な印象を帯びる。
フーガ(4声、モデラート・コン・モート、1951年1月22日完成)の旋法的な主題や伸びやかなリズム感から、同時代人はロシア的な歌唱性、とりわけ民衆の延べ歌を想起したという。この主題の性格は対唱や間奏にも引き継がれる。したがって、彼らの意見に従えば、このフーガは全編にわたってロシア的な旋律に満たされているということになる。ストレッタの木霊するような対位法のテクスチャと、それによって生まれる響きは趣深い。終結部は前奏曲と同じように、旋法の長短が曖昧になっており、独特の浮遊感がある。
執筆者:
山本 明尚
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