ショスタコーヴィチ :24のプレリュードとフーガ 第15番 Op.87-15 変ニ長調

Shostakovich, Dmitry Dmitrievich:24 Preludes and Fugues No.15 Des-Dur Op.87-15

作品概要

楽曲ID:21836
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:5分00秒
著作権:保護期間中

ピティナ・ピアノステップ

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解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (548文字)

更新日:2021年1月9日
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弾むような右手の伴奏から始まる前奏曲(アレグレット、1950年12月30日完成)は、アーティキュレーションにメリハリが効いていて活き活きとした楽しい一曲。ワルツのリズムに乗せて反復される主題は強く印象に残るが、その底抜けの明るさや皮肉の効いた半音階的な和声進行は、明らかにワルツ本来の優雅さを歪曲する、パロディ的な要素を孕んでいる。音域が高音に偏る中間部は音色の面でシンプルかつ平坦で、来たるべき華やかな再現部への期待を高める役割を持っている。

フーガ(4声、アレグロ・モルト、1951年1月8日完成)の主題は、カーニバル的と言えるほどに自由奔放。一声部を二声に擬えれば、変ニ音を中心として音程が拡大したのち縮小していくような形を取っており、一オクターヴの12音のうち11音が用いられていることから、響きの上では無調的に聞こえる。主題の特質の一つとして挙げられるのは、3/4+3/4+3/4+2/2+3/4+5/4という非対称の変拍子によって構築されていることであろう。これにより、独特の不均衡さ、またそれによる力動感が生じている。対唱は半音階進行によるもので、主題の性格を下支えする。楽曲後半では前奏曲の冒頭の伴奏がそのまま引用され、それにより変ニ長調の大胆で華々しい終止へと楽曲は収斂していく。

執筆者: 山本 明尚
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