ショスタコーヴィチ :24のプレリュードとフーガ 第12番 Op.87-12 嬰ト短調

Shostakovich, Dmitry Dmitrievich:24 Preludes and Fugues No.12 gis-moll Op.87-12

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:6分30秒
著作権:保護期間中

解説 (1)

解説 : 山本 明尚 (487文字)

更新日:2021年1月9日
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前奏曲(アンダンテ、1950年12月13日完成)はパッサカリアに基づいている。12小節にわたって荘重なバス主題が10回繰り返される間、主に最高声部で対位法的な旋律が紡ぎあげられていく。7度目の反復(73小節以降)では右手と左手が反転し、それまで背景の役割を果たしていたバス主題が鮮やかに前面に躍り出る。最後には旋律声部までがバス声部に寄り添うように低音に移り、ピアニッシシモでフーガの主題の前半をほのめかしながら音楽は消えていく。

フーガ(4声、アレグロ、1950年12月15日完成)は前奏曲と好対照を描く、5拍子による活動的な楽曲。主題には跳躍が多く含まれ、導音を欠いた自然短音階が用いられており、調性が曖昧にされている。また、たびたび休止によって中断されることにより、不均衡な拍節感が楽曲の前景に表れ出ている。シンコペーションに溢れた対唱も、主題のリズムのいびつさを促進するかのようである。楽曲の複雑性と曲調は中盤でともに頂点に達したのち、トニック・ペダルの支えの上で一度静まる。その後ふたたび複雑さが回帰するストレッタを経て、半音階的にピカルディ終止による終結へと至る。

執筆者: 山本 明尚
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