ショスタコーヴィチ : 24のプレリュードとフーガ 第1番 Op.87-1 ハ長調
Shostakovich, Dmitry Dmitrievich : 24 Preludes and Fugues No.1 C-Dur Op.87-1
作品概要
解説 (1)
解説 : 山本 明尚
(419 文字)
更新日:2021年1月9日
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解説 : 山本 明尚 (419 文字)
更新日:2021年1月9日
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前奏曲(モデラート)は自筆譜の一つによると、1950年10月10日に清書譜として完成した(DSCH社刊行、ショスタコーヴィチ作品全集に自筆譜Cとして記載。以降に記載する完成年月日もすべて同様)。サラバンドを連想させる2小節単位の舞踊的なリズムによる平穏な楽曲。バッハの《平均律》と同じ音域から楽曲が始まることは偶然ではあるまい。中途で挟まれる短くも表現豊かなカデンツァ的な楽句を除き、すべてが和音によって構成されていることも特徴的である。
フーガ(4声、モデラート、1950年10月11日完成)も前奏曲と同様に平穏な性格をたたえており、なおかつ厳格に構成されている。語りかけるような主題はロシアの古風な教会歌唱を思い起こさせるものだという。楽曲は一音の例外もなくすべて白鍵で演奏されるほか、2声部目が提示される途中以降、ほとんどの小節が途切れることのない4分音符の基本リズムに満たされており、そのため全体から均衡・安定といった印象を受ける。
執筆者:
山本 明尚
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