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作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(1341 文字)
更新日:2018年11月21日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (1341 文字)
この曲は、ソナチネ導入の曲で、ソナチネアルバムの中でも最も弾きやすい曲として生徒さんに与 えますので、最初のソナチネがこの曲になることが多いです。殆どの生徒は訊いてきませんが、「ソナチネってどういう意味?」と問われたとき、答えられるようにしておきましょう。そもそもソナタから語源がわからなければなりませんね。ソナタを調べると「奏鳴曲」と出てきます。そしてこの「奏鳴曲」を調べると、非常に曖昧な説明が出てきます。これでは納得がいきませんね。
ソナタとはもともとは「音=sound」(より厳密にはイタリア語のsuonare(‘to sound’))から来ています 。声楽の「cantata」と呼ばれる楽曲に対峙する語として(つまり器楽曲を指す語として)「ソナタ」が用いられ始めたようです。「ソナタ」は、17世紀に入って、器楽曲のジャンルの名称として定着しました。「ソナチネ」はソナタの縮小版で、ソナタに比べて短く、難易度も高くないという特徴を持っています。
そしてクレメンティの時代はどのような時代かをお話ししてあげましょう。何年前に生きていた作曲家か、どのような傾向の曲が流行っていたか、等々。古典派の傾向としては、楽天的であることが基本です。生徒さんには、楽しいことが基本とでも言っておきましょう。そして曲そのものが劇的であること(オペラの要素が含まれていること)、ユーモラスな部分も多くあること、なども説明し、音楽が人の気持ちを描写していること(表していること)を説明してあげましょう。
わかりやすく説明するコツとして、登場するメロディーを歌にたとえ、歌手が歌っていると仮定させます。その上で、その歌手のキャラクターはどのようなキャラクターであるか想像させます。たとえば1-4小節のメロディーラインを考えたとき、元気の良い王子様でも、いたずら好きの子供でも何でもかまいません。歌詞は決して具体的にせず、「何かを自慢している」くらいの曖昧な印象を与えます。決して男性とは限らず、女性でもかまいません。6小節目、女性が早口にペラペラと話している様子を描写していると言ってもかまいません。
話す言葉が多くなるにつれて音符の数も多くなると想像させます。そして提示部では12小節目をピークにしますが、9-10、11-12、の2つのシークエンスを利用して強弱を変えていくようにさせます。つまりはクレシェンドです。
展開部、一転してこれまでのムードが悲しみや心配など、感傷的なムードに変わると説明します。18小節目のメロディーラインは、20-21小節でaugmentationになっていることを説明します。 augementationとは、あるメロディーの音価を大きくする(または大きく聞こえるタイミングにする)作曲の技法です。この展開部は先生のたとえ話を生徒に話してあげますが、そこまで深刻な話にはならないようにします。一瞬の迷いや悲しみと解釈します。
24小節目、再現部です。ここでは少し恰幅の言い男性が同じ言葉を話し始めると説明しても良いでしょう。28-29、1-2小節間のメロディーのインヴァージョン(反行形)であることを説明します。とにかく楽しさあふれる、元気で活気の良い演奏を目指してください。
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