クレメンティ :ヴァイオリンもしくはドイツ式フルートの伴奏付きのピアノフォルテのための6つのソナタ ソナタ Op.13-6 (Op.14-3) ヘ短調

Clementi, Muzio:Six sonatas for the piano forte with an accompanyment for a violin or german flute Sonate f-moll Op.13-6 (Op.14-3)

作品概要

出版年:1785年 
初出版社:個人出版
献呈先:ブリュール伯爵(His Excellency count de Brühl)
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ
総演奏時間:14分20秒

解説 (1)

総説 : 上田 泰史  (860文字)

更新日:2014年1月20日
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クレメンティはこの作品で初めてヘ短調という調性を用いた。シリアス表現手法は〈疾風怒濤〉期のハイドンのクラヴィーア・ソナタ(例:Hob.XVI-20, ハ短調, 1771作曲)にも通じるが、クレメンティの場合、形式はその深刻な感情に脅かされることなく端正で簡潔な形式を守っている。後のベートーヴェンの熱情ソナタ(1807)の予兆とも見られる作品。

【成立背景】

若くしてローマからイギリスに移住したクレメンティは、1766年からイギリスのドーセット州の貴族ベックフォード卿の庇護の下で7年間を過ごした。1771年に自立しチェンバリストとしての名声をロンドンで確立したのち、70年代末から本格的な作曲活動に入る。80年に開始する大陸での演奏ツアーがその契機となったのは間違いない。モーツァルトと競演したヴィーンでは有力な出版社アルタリアと、その後訪れたパリでも出版者と契約を結んだ。本ソナタは数年にわたる旅行の末期に33歳のクレメンティが出版した《6つのソナタ》作品13の最後に置かれたソナタで、初めは私家版として、後に1801年に自ら設立したクレメンティ社より再版された。

【楽曲分析】

第1楽章:第1主題が再現されないソナタ形式。ほぼ一貫して3連符の走句で統一されているが、変イ長調の第2主題は8分音符の連打によって特徴づけられる。展開部では第1主題のみが展開されるため、再現部はヘ短調の属和音に導かれる第2主題に始まるが、提示部と同じ変イ長調で再現される点が特徴的。

第2楽章:ハ短調、ラルゴ・エ・ソステヌート。一種のソナタ形式。弦楽合奏風のポリフォニックな主題に変ホ長調の歌唱的な第2主題が続く。この主題はやがてト短調に転じ、第2主題の波打つ音型のモチーフを展開する。

第3楽章:プレスト、ソナタ形式。鍵盤の音域を幅広く使用した、技巧的にも華麗なフィナーレ。右手に出る素朴な第1主題は2回目に手の交差によって低音と高音に振り分けられる。続く変イ長調の第2主題では第2楽章の「波打つ」モチーフを利用し楽章感の一貫性が保たれている。

執筆者: 上田 泰史 

楽章等 (3)

第1楽章

総演奏時間:4分20秒 

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第2楽章

総演奏時間:5分20秒 

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第3楽章

総演奏時間:4分40秒 

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