ダマーズ, ジャン=ミシェル :序奏とアレグロ

Damase, Jean-Michel:Introduction et Allegro

作品概要

楽曲ID:19025
出版年:1992年 
初出版社:Éditions Max Eschig
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:8分00秒
著作権:保護期間中
※特記事項:Contest piece for Concours Long-Thibaud 1992 (http://www.chezdamase.com/#!instrumental/c1a4u)

解説 (1)

執筆者 : 平野 貴俊 (558文字)

更新日:2018年3月12日
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1992年に発表されたダマーズのピアノ曲。演奏時間約8分。ロン=ティボー国際コンクールによる委嘱で作曲され、同年開催された第24回コンクールで本選課題曲のひとつとなった(注)。「序奏とアレグロ」というタイトルはラヴェルの同名の室内楽曲を想起させるが、このハープにとって重要な作品を初演したのは、ダマーズの母ミシュリーヌ・カーン Micheline Kahn(1889~1987)である。ダマーズの《序奏とアレグロ》の冒頭に現れる右手の上行・下行音型は、ハープのグリッサンドを想起させずにはおかない。曲は三部からなる。やや物憂げな表情をもつ序奏が終わると、ごつごつとした音型が現れてアレグロに入る。この音型はダマーズの最初のピアノ作品《ピアノ・ソナタ》(1953)第1楽章の冒頭を思わせ、ここでもアレグロにおける第1主題として機能している。速度が落ち、晴れやかな表情をもつ第2主題が高音域に現れたあと、両主題の要素にもとづく展開部となる。ブロックのような最初の音型と滑らかな旋律が対比され、後者が堂々と歌われたあと、冒頭の序奏が回帰する。だがまもなくアレグロの第1主題が顔を出し、推進力を保ったまま第2主題が提示され、闊達な終結を迎える。 (注)この年の同コンクールでは、野原みどりが第1位、青柳晋が第6位を獲得した。

執筆者: 平野 貴俊
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