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モーツァルト : メヌエット ヘ長調 K. 4

Mozart, Wolfgang Amadeus : Menuet F-Dur K. 4

作品概要

楽曲ID: 18200
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:メヌエット
総演奏時間:1分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (803 文字)

更新日:2025年10月9日
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このメヌエットは、歌劇に例え、複数のキャラクターがいて同じ歌を歌っていると考えると自然に理解が出来ます。曲はある程度の威厳が感じられます。平凡な内容の会話なのですが、ある種の威厳を感じながら演奏します。

前半から観ていきましょう。前半で、14小節間がこのメヌエットのテーマとなるのですが、実は4小節単位でフレーズが来るのはこの14小節間のみで、それ以降は全て2小節単位で進行すると考えます。仮に、この14小節間はテノール歌手(男性)が歌ったとします。そうすると次に、ソプラノ歌手が、56小節間を歌いますが、ここは借用和音かな?と思いつつも、10小節目でC-durのカデンツを迎えますので、完全に転調していると考えます。C-durのテンションも決して低くありません。

続いて78小節間が歌われますが、これは56小節間と全く同じです。56小節間と78小節間はキャラクターが変わったと考えても良いですし、同じ台詞を2回も繰り返していると考えても良いです。ただし、2回目は強弱を1回目とは変えるようにして下さい。

11〜14小節間、2小節単位のシークエンスで上行し、テンションは高まっていきますが、意に反して15小節目でもとのF-durに戻ります。ここで、15〜16小節間で1つのフレーズ、次に17〜18小節間は、同じメロディーなのですが、またキャラクターが代わり、今度は恰幅の良い男性(バスの歌手)が同じ台詞を歌うと考えても良いです。そしてテノールが、19〜20小節間を歌い、今度はソプラノ歌手が、21〜22小節間を歌うと言った、複数のキャラクターを想像して、それぞれ異なった音質で演出しても楽しいメヌエットになると思います。

執筆者: 大井 和郎

楽譜