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ベートーヴェン :ドイツ舞曲 ハ長調 WoO.8-1

Beethoven, Ludwig van:German Dance C-Dur WoO.8-1

作品概要

楽曲ID:17938
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:トランスクリプション
総演奏時間:0分40秒
著作権:パブリック・ドメイン
※特記事項:原曲はオーケストラ。

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1124文字)

更新日:2018年3月12日
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この単純な短い曲で聴衆を魅了する音楽的な技術があるとすればそれは大変高いです。奏者はまず、すべての音をフォルテで練習し、左手の5の指など、バスを担当する指がしっかりとバスを捉え、太い音を出せるように用意しておきましょう。テンポはアレグレットと書かれていますが、特にこの表示に拘る必要も無いと思います。奏者が心地よいテンポで演奏して良いと思います。

曲は16小節で構成されており、前半と後半に8小節ずつきれいに分かれます。前半の注意点としては、「1拍目にアクセントをつけない」事にあります。1小節目、3小節目ともに2拍目の2分音符がゴールの音となります。2小節目は弱く始まり3拍目Eをゴールにして、その後すぐにアルペジオで3小節目のGまで下がります。3小節目1拍目のGは1つめのフレーズの終わりですからアクセントは付けず、力を抜いて終わり、3小節目の2拍目2分音符のDが次のゴールになります。

1小節目、3小節目ともに2分音符にはテヌートマーキングが書かれてます。このテヌートマーキングがベートーヴェンによって付けられたかは定かではありません。古典派の音楽ですので、この2つの2分音符に余計に時間を食うことは御法度ですが、強調するという意味に理解して良いと思います。

5小節目、前半では最も高いGまで音は上がります。それからシークエンスを辿り下行するので、本来であれば5小節目を境に音量を落としていきます。しかしながら6小節目の和音はIIの和音で、サブドミナントの機能があります。この小節の強弱をどうするかは奏者によって意見が分かれることと思います。7小節目は自然な和音進行としてドミナントが来て、前半の最後はトニックで終わります。

後半9-12小節間、決め手となるのは10小節目と12小節目の左手の連打です。これがキッチリと弾かれてないことには様になりません。指番号は自由ですが、同じ指で連打した場合にきちんと連打できない奏者は指番号を3-2-1などにするなど工夫してください。

強弱は9-10小節間より11-12小節間の方を大きくして、13-16でクレシェンドをかけ、音はこの小節間で最も高い音Dまで上がります。メゾフォルテからフォルテの強弱で良いと思います。しかしながらくれぐれも重たくならないように気をつること、あまりきついフォルテにならないように気をつけることが重要です。

この曲を流ちょうに聴かせるにはやはりバランスの問題が大きいと思います。10小節目と12小節目は唯一メロディーラインが和音に変わる場所で、この3度は当然トップが欲しいのですが、この2小節間以外のメロディーラインはすべて単旋律です。そうなると、左右の手のバランスが決め手となります。

執筆者: 大井 和郎

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