プリューダン : ベッリーニの「清教徒」に基づく演奏会用カプリス=エチュード Op.24
Prudent, Émile (Racine Gauthier) : Caprice-Étude de Concert sur "I Puritani" de Bellini Op.24
作品概要
解説 (1)
執筆者 : 上田 泰史
(494 文字)
更新日:2010年1月1日
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執筆者 : 上田 泰史 (494 文字)
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「カプリス=エチュード」とあるが、形式は実質上一つの主題に基づく変奏曲。《清教徒》は1835年のパリ初演以来非常に流行した。プリューダンはこのオペラの第1幕、第3景で歌われる「貴女のもとに、おおいとしい人よA te, o cara, amor talora」を主題に採用した。40年代、プリューダンは《夢遊病の女》によるカプリス=エチュード 作品23とともにヨーロッパ各地でこの曲を演奏した。プリューダンによる幻想曲風の練習曲は常に序奏に興味をひく工夫がなされている。この曲では主題部の前に半音階を用いた美しい創作部分が置かれている。
F. リストは1837年にベッリーニによる同じ旋律を用いて華麗な変奏曲《ベッリーニの「清教徒」の回想》を出版した。リストは聴き手を幻惑させる高度な技巧を次々に繰り出しながら主題を変形したり転調させたりしている。それに比してプリューダンは原曲の構成と流麗な和声の動きに忠実で、旋律の歌唱的性格を最大限に引き出すよう注意を払っている。プリューダンにとって技巧はそれ自体が目的ではなく、いわば歌唱的旋律を魅力的に浮かび上がらせる背景を生み出すための絵筆である。
執筆者:
上田 泰史
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