トーマス・ヘル Hell, Thomas
プロフィール (1162文字)
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アルフレート・ブレンデルが “まさに知性とヴィルトゥオージティの両面を兼ね備えている”と賞賛するハンブルグ生まれのピアニスト、トーマス・ヘルは、 ハノーバー国立音楽演劇大学でデビット・ワイルドに師事し、国家演奏家資格課程を最優秀で卒業。同時に作曲家ラインハルト・フェーベルのもとで作曲と音楽 理論のディプロマも取得した。オルレアン国際ピアノコンクールで第一位を獲得するなど、さまざまな国際コンクールで入賞している。
古典から現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、ヨーロッパ各地の国際音楽祭や名高いホールに出演しているが、とりわけエリオット・カーター、アルノル ト・シェーンベルク、ルイージ・ダッラピッコラ、チャールズ・アイヴズ、ピエール・ブーレーズといった20〜21世紀の現代音楽を得意とし、ジェルジュ・ リゲティの〈エチュード〉全18曲のライブ演奏は、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習会をはじめ、ベルリン、バイロイト、ヴッパータール、バーゼル、東京など各地で話題を呼ぶ。その実演に接した現代ハンガリーを代表する大作曲家ジェルジュ・クルタークは「リゲティの音楽を理解し、それを解釈し、最高度の演奏技術をもって演奏する特別な才能」と絶賛したほか、音楽ジャーナリストの池田卓夫は東京で行われたコンサートを『音楽の友』誌で2010年ベスト・ コンサートの第1位に挙げるなど、深い知性と血の通った温かみのある千変万化な音色による演奏は、現代作曲家や音楽家、評論家から全幅の信頼と評価を得ている。
これまでにリリースされたCDには、マックス・レーガー『バッハ変奏曲 Op.81』とロベルト・シューマン『フモレスケ Op.20』、エドゥアルト・シュトイアーマン『組曲』(2010年ドイツレコード評論家大賞を受賞)、ヴァイオリニスト、エドリアン・エドレムとのバルトーク『ヴァイオリン・ソナタ集』、 カメラータ・フレーデンと共演したコルンゴルド『ピアノ五重奏曲 Op.15 』(2012年ドイツ・レコード評論家「室内楽曲部門」のベスト・ディスク賞を受賞)、リゲティの『ピアノのためのエチュード全曲』(2013年レコード芸術2月号で特選盤に選定される)などがある。
2016年には難曲で知られるアイヴズのコンコードソナタがリリースされる。
国内外で、精力的にマスタークラスや演奏を交えた作品解釈の講演を行っており、2001年よりハノーバー国立音楽演劇大学、2011年よりシュトゥットガルト国立音楽芸術大学で教鞭をとっていたが、2016年秋より、マインツ音楽大学のピアノ科及び室内楽科教授に就任する。
www.thomashell.de
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