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竹内 淳 : 《ピアノソナタ》

Takeuchi, Jun : Piano sonata

作品概要

楽曲ID:92990
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:ソナタ

解説 (1)

解説 : 竹内 淳 (1011 文字)

更新日:2025年6月18日
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藤本辰也、杉浦菜々子共同委嘱作品。

2024年12月1日杉浦菜々子により初演(目黒・芸術家の家スタジオ)

ピアノソナタを書くように杉浦氏(そして藤本辰也氏)から依頼を受けたのが2023年暮れだったと思う。それから時間をかけて醸成し、2024年の8月下旬ごろに脱稿した。基本的にソナタ形式には「書き写さなければならない」部分を多く含むため、私はその部分を作曲する時点で「無から有を作る」楽しみが半減することを、「ソナタ形式の欠陥」という言葉で勝手に考えてきた。いざ久しぶりにソナタ形式に向き合った時、いかに自分が楽しみ、聴く人を楽しませるかを考えた。楽しんでいただけたら幸いです。

第1楽章

序奏付きソナタ形式。古典のソナタ形式では調のあり方が鍵を握るが、この作品の中では調の対比的な扱いは意図的に避けた。そのため、再現部でも第2主題は同じ調で出る。第1主題の音列「ラシ♭ソファ#」は、第2主題で「シシ♭ド#レ」のように転回される。全体はニ調を中軸とし、それは第3、第4楽章まで受け継がれる。

第2楽章

緩徐楽章。この楽章作曲当初は、下記の文言に従って作曲するはずであった。「日本の作曲家を取り上げる委嘱者の杉浦菜穂子氏の活動に敬意を表し、この楽章は、私が考える日本ならではの音を使うという制約を設ける」。ところが蓋を開けてみると、書式の美にとらわれた部分もあり、結局西洋風になってしまった。ただし、26小節目から現れる16分音符を含む音型は、私の歌曲「中勘助による3つの歌」の第2曲「虫籠」に似せたものであり、その曲自体かなり日本の音を意識して作曲されたものなので、ソナタの中でも、その音型が日本的な風を吹かせてくれると嬉しい。(杉浦氏は虫の声のようだとおっしゃっていたが、「虫籠」のその部分の歌詞はまさに「ちりりこれんれん」という虫の鳴き声なのです。)

第3楽章

スケルツォ的。テーマは「ちょちょっと」とおどけた様子。これは「Jun's habit of saying when he's angry」と楽譜にある。

第4楽章

展開を含みつつ、自由な三部構成。Maestosoによる序奏がつき、冒頭のソソ#ラが後から出るテーマを予告する。テーマはニ調を基軸とし、一定の展開を見て中間主題へ。こちらもニ調。テーマが帰ってから、第1楽章主題の音列による展開。その後、第1楽章の第2主題まで顔を出す。最後はPresto で締められ、あーだコーダ。

執筆者: 竹内 淳

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