三部形式である。
A[a(1から4小節)+a1(5から8小節)]
B[b(9から12小節)]
A[a(13から16小節)+a1(17から20小節)]
主調はト長調。冒頭がⅥ和音から入るため、暗い響きから始まる。
A楽節は二つの4小節の小楽節に分かれる。楽節の終わりはどちらも全終止だが、前半aではドミナント→トニックでの和声進行に終始しているが、後半a1ではサブドミナントのⅡからドミナントへ進行する。6小節目ではⅡ調のⅤ7和音が借用和音として使われ、こうしたサブドミナントⅡの活用を和声的に強調している。
主題の1小節目(1、5、13、17小節)3拍目にアクセントがついているが、これは楽曲全体を見ても3拍目を特に強調するような性格的なモティーフは見られないため、リズム的な(打楽器的な)要素ではなく、恐らくはフレーズの山を感じさせるような、そういった情感表現の意味を持ったアクセントだろう。冒頭からこのアクセントに向かってややフレーズを膨らませるつもりで、少し重みを置くつもりで表現したい。
中間楽節Bは平行調ホ短調に転調している。この楽節は4小節間で短いながらも2小節の旋律が次に1オクターヴ下でやや変形した状態で反復される。