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ツィブルカ : 冬のおはなし

Czibulka, Alphons :

作品概要

楽曲ID:92519
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:1分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
ピティナ・コンペ課題曲2025:B級

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用2 応用3 応用4 応用5

楽譜情報:1件

解説 (2)

解説 : 熊本 陵平 (514 文字)

更新日:2025年3月4日
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三部形式である。

A[a(1から4小節)+a1(5から8小節)]

B[b(9から12小節)]

A[a(13から16小節)+a1(17から20小節)]

 

主調はト長調。冒頭がⅥ和音から入るため、暗い響きから始まる。

A楽節は二つの4小節の小楽節に分かれる。楽節の終わりはどちらも全終止だが、前半aではドミナント→トニックでの和声進行に終始しているが、後半a1ではサブドミナントのⅡからドミナントへ進行する。6小節目ではⅡ調のⅤ7和音が借用和音として使われ、こうしたサブドミナントⅡの活用を和声的に強調している。

 

 主題の1小節目(1、5、13、17小節)3拍目にアクセントがついているが、これは楽曲全体を見ても3拍目を特に強調するような性格的なモティーフは見られないため、リズム的な(打楽器的な)要素ではなく、恐らくはフレーズの山を感じさせるような、そういった情感表現の意味を持ったアクセントだろう。冒頭からこのアクセントに向かってややフレーズを膨らませるつもりで、少し重みを置くつもりで表現したい。

 中間楽節Bは平行調ホ短調に転調している。この楽節は4小節間で短いながらも2小節の旋律が次に1オクターヴ下でやや変形した状態で反復される。

 

執筆者: 熊本 陵平

解説 : 大井 和郎 (976 文字)

更新日:2025年5月30日
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「ペダルを踏みっぱなしにすると濁るので、ペダルを変えるとバスを失う」という典型的な問題は、我々ピアノに関わる人達にとって永遠の課題です。この曲もまさにその通りの問題が生じますが、筆者がとっておきの指使いを伝授します。この方法で、バスを失わず、濁りを避ける事が可能になります。

1小節目 2つ方法があります。1つは、2拍毎にペダルを入れます。12拍間、EGHですのでペダルを踏み続けても濁りません。34拍間もACEなので、ペダルを踏み続けても大丈夫です。ただし、メロディーがオーバーラップします。そこで、もう1つの方法は、1拍目、バスのE5の指で押さえっぱなしにして、2拍目のGHEを弾き、2拍目ペダルを変えます。そうすると、右手のHGをオーバーラップさせずに済みます。これは好みの問題になりますので、どちらの方法でも大丈夫です。34拍間は踏みっぱなしでも大丈夫です。メロディーラインの8分音符Eは、一瞬ですので、気になりません。

2小節目 1拍目のバスDをフィンガーペダルで伸ばしながら、2拍目3の指でFIs1の指でCDの両方を同時に弾きます。ここも、1拍毎にペダルを変えます。そうする事で12拍間のDAを混ぜないで済みます。勿論、そんな面倒なことをしないで、ペダルを12拍間、踏み続けても大丈夫です。34拍間、問題ありませんので、踏み続けます。

3小節目ペダルは1拍毎に変えます。1拍目のバスH5の指でのばしっぱなしにして2拍目にオクターブ上のHだけを弾きます、その上のDは右手で取ります。3拍目、GAを普通に弾き、5の指でAを伸ばし続け、4拍目でオクターブ上のAのみを弾きます。右手で、4拍目の左手のCDを、旋律のGとともに同時に弾きます。

4小節目、1拍毎にペダルを変えます。1拍目のバス、D5の指でのばしたまま、2拍目のACD2の指でA1の指でCDの両方を同時に弾きます。

このような工夫で、18小節間、1320小節間、全てのバスは2拍ずつ伸び、しかもメロディーは濁りません。

12小節目、ペダルは全く使いません。全てを指で繋げてください。

執筆者: 大井 和郎

楽譜