ホーム > バッハ > 「これぞ聖なる十戒」によるフゲッタ

バッハ :「これぞ聖なる十戒」によるフゲッタ BWV 679

Bach, Johann Sebastian:Fughetta super Dies sind die heil'gen zehen Gebot BWV 679

作品概要

楽曲ID:83306
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:フーガ
総演奏時間:2分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (588文字)

更新日:2023年11月20日
[開く]

全体を見たとき、後半に進むにつれて16分音符の量が増えてきますし、和音の層も厚くなっていきますので、基本的には流れとして、最初はピアノから始まり、最後に向けてフォルテで終わるような流れにします。

このフーガの書法は器楽的です。冒頭の連打音は「保続音」または「ペダルポイント」と考えます。同じ音の連打というのは、ピアノの場合、耳障りになる事も多いので、音量には十分注意し、大きな音で同じ音を連打しないように注意します。

アーティキューレーションは自由に工夫して良いです。例えば1小節目4拍目のような、パターンは、最初の2音をレガートに、Dをスタッカートで切り、次のGもスタッカートでも良いですし、逆に2番目と3番目の音をレガートにして1番目はスタッカートでも良いです。あるいは全部スタッカートでも構いません。色々と試してみましょう。

16小節目3拍目からのテーマ(主題)は、インヴァージョン(転回形)ですが、これもテーマと見なしてかまいません。

恐らくですが、31小節目から始まるバスのテーマが、このフーガの中では最もテンションの高いテーマだと思います。音量は遠慮せずに出してみてください。

34小節目2拍目の最後の和音はショッキングな和音ですが、この和音はじっくり聴かせたいところです。テンポをかなりゆっくりにして終わらせることで、この和音を聴かせることができます。試してみてください。

執筆者: 大井 和郎
現在視聴できる動画はありません。