山田がベルリン留学時代に課題として書いた2つめのソナタ。

自筆譜に「四十四年十一月十七日始め二十四日終る」と記載されている。

3楽章まで存在したが、1楽章しか見つかっていない。1916年1月30日家族会館で開かれた音楽奨励会第19回演奏会「ヤマダアーベント」のプログラムには以下のように記されている。

 此のソナタは千九百十一年の十二月頃から学校の宿題として作ったものです。完成したのは千九百十二年一月二十四日でした。是は三つの楽曲から成り立ってをります。

（い）は私の書いた曲の表題にしるしてある通り、極めて快活な、軽快な気持ちを持たしたものです。

（ろ）に於いては、静かに歌ふ心持をそのまま表はしたものです。

（は）にはエネルギツシな截斷的な心持を表はしたものです。

第1楽章 Sehr schnell

※この解説は、公益財団法人 ローム ミュージック ファンデーションによる助成を受けて制作いたしました。