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ロシェロール :ブルース・コンチェルト

Rocherolle, Eugenie Ricau:Blues Concerto in C

作品概要

楽曲ID:77620
出版年:Warner Brothers年 
初出版社:2002
楽器編成:ピアノ合奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:6分30秒

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (818文字)

更新日:2021年12月24日
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オリジナルの2台ピアノ作品である。題名が示すように、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」を意識してジャズの語法を学習者にも親しみやすい形で取り入れている。原題を Blues Concerto “in C” としているのも、ガーシュウィンのヘ調のコンチェルト(Concerto in F)に呼応させたものであろう。さらに、ラフマニノフのコンチェルトや、アディンセルの「ワルソー・コンチェルト」を思わせるロマンティシズムも加えて豪華に仕立てられ、ステージばえも申し分ない。主調はハ長調、4分の4拍子、マエストーソで開始し、アレグロ・モデラートの主部に入る。単一楽章制ながら、緩徐楽章的なセクションや第1ピアノのソロによるカデンツァも含んで変化に富む。レベルはチェルニー40番の前半くらいでとりくみやすく、両パートのバランスも良い。学習者がいきなり「ラプソディ・イン・ブルー」や「アイ・ガット・リズム」に体当たりしても歯が立たない。まずは本作あたりから徐々にジャズの奏法を手の内に入れていくことが遠回りのようでかえって早道となろう。Ingrid Clarfield と Lillian Livingston への献呈。被献呈者は両名ともピアニスト・教育者で、Clarfield & Livingston として1976年から2007年まで2台ピアノのリサイタルを継続的に開催した。作曲者も含め、生き馬の目を抜くアメリカのピアノ教育界にあって、ねばり強い実践と指導力によって確かな地歩を固めてきた人々である。本作は発表以来、アメリカの学習者に広く親しまれてきた。本作の好評に応える形で、より平易な続編「リトル・ブルース・コンチェルト」が2015年に発表された。

執筆者: 西原 昌樹
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