このプレリュードも4/4拍子とは書いてあるものの、実際には拍子記号も小節線も不要な位、極めて即興的に書かれていて、拍を感じる必要もありません。そもそも、きちんと4/4拍子で書かれていませんので、拍子に拘る必要はありません。
冒頭の、11個の和音は、7つ目で一区切りして、新たな気持ちで8つ目から弾き始めても良いでしょう。つまりは冒頭の11個の和音を2つのセクションに分けてしまいます。しかしながらこれは単なる1例に過ぎません、奏者が考える方法で分割して構いません。
別の考え方としては、7つ目をピークポイントとして、分割せずに、一気に弾き、最後はトニック(主和音)で終わる方法もあります。この辺りの考え方は奏者に委ねられます。
曲そのものの雰囲気は厳かで悲しみの類いを感じます。少なくとも楽天的ではありません。
途中で16分音符が出てきますが、冒頭の11個の和音で、11個目のアルペジオの速度を、次の16分音符と一致させることで、スムーズな流れとさせることができます。そして16分音符最後の速度とエンディングの和音のアルペジオの速度も合わせるようにします。
別の考え方としては、故意にこれらの速度を合わせずに、16分音符が出てきたことを聴かせることも出来るのですが、16分音符は「音階」であるため、いずれにせよ、聴き手に取っては、今までとは異なった音形と認識できるはずです。