技巧的な曲であり、技巧を見せるために書かれている、トッカータ的なプレリュードです。7小節目に見られるように、分散和音も左右の手が交代交代で書かれているところから察するに、可能な限り速いテンポで進んでも良い曲と考えられます。
この曲も、小節線はあって無いようなものですが、8小節目辺りから4/4拍子できちんと書かれており、この辺りは、14小節目までは落ち着く箇所ではないかと想像されます。10小節目は、バスが拍を刻みますので、この中間部分(8~19小節間)は、テンポを少し緩め、拍を感じて良い場所です。
冒頭から速いテンポで進み、8小節目に入る前にテンポを緩めた状態で8小節目に入ってください。急にテンポが緩むことの無いように自然に入ります。
そしてその後、またしても速いパッセージに戻るのですが、永遠に止まることの無いような音の羅列を聴いていても、何が何だか分けが解らなくなります。一応その流れを一段落させる部分があって然るべきです。
それが、4小節目と、19~20小節間に覧られる、付点8分音符、あるいは付点16分音符とトリルのペアです。これが19~20小節間に3箇所、4小節目に1箇所あります。奏者はここに達した時点で、トリルに対して、フェルマータのように少し時間を取ってみて下さい。22小節目の冒頭4分音符の和音でも時間を取るようにしてみて下さい。