ホーム > ミヨー > 世界旅行者

ミヨー :世界旅行者 Op.358

Milhaud, Darius:The Globetrotter Suite (Le Grobe Trotter) Op.358

作品概要

出版年:1958年 
初出版社:Belwin Mills
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
著作権:保護期間中

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (1347文字)

更新日:2020年8月10日
[開く]

ベルウィン・ミルズ出版の副社長であったアーヴィング・ミルズは、ハリウッド・ボウルで2万人の観衆を集めたミヨーのオペラ《ダビデ》(Op. 320)の野外上演(1956年9年22日)に接し、ミヨーの音楽にあらためて感銘を受けた。ミルズ社はかねてより教育作品の出版に注力していたことから、学生にも演奏しやすい新作をとミヨーに委嘱し、快諾したミヨーが書き下ろしたのが《世界旅行者》(Op. 358)と《人生の喜び ―ワトーをたたえて―》(Op. 360)である。この2作は初演、出版、レコーディングが同時になされたことから、実質的に対をなす二部作といえる。

《世界旅行者》は、ミヨーが深い愛着を持つ6つの国が選ばれ、各国の特色を描いたものである。半分がヨーロッパ、半分がアメリカ大陸という選定はそのままミヨーの半生の活動を集約するもので、タランテラ調の〈イタリア〉、ブルース調の〈アメリカ合衆国〉などは、大方の期待に応える常套的な曲想といえよう。〈メキシコ〉といえばミヨーがその風土を好んだことはもとより、教え子達と連れ立ってカリフォルニアの庶民的なメキシコ料理店を訪れるのが常であったという弟子のバート・バカラックの証言が思い出される。熱気あふれる最終曲〈ブラジル〉は、人生を変えたブラジル滞在から40年を経ても変わらぬ、かの地へのミヨーの思い入れを強く感じさせる。

1956年12月12日にシオン(イスラエル)にて起稿、1957年1月16日にミルズ(カリフォルニア州)にて完成された。本作の管弦楽版は 1957年9月11日、作曲者指揮によりRadio Rausanne にて Op. 360 と同時に放送初演され、翌1958年には本作と Op. 360 を両面とする作曲者指揮ロサンゼルス室内合奏団のLP盤(Decca, DL 9965)も出た。管弦楽版では小ぶりな編成と各パートの演奏のしやすさに教育的な配慮がみられるいっぽう、管弦楽版と並行して書かれたピアノ版は特段学習者向きということはない。むしろ多層的な構造を一人で表現する難しさがあるが、おおらかで明るい楽想を弾く醍醐味があるともいえよう。ミヨー後期の充実したピアノ曲としてあらためて注目したい。《世界旅行者》のほかに《世界観光旅行組曲》、《漫遊者組曲》などの邦題もある。

第1曲 France フランス。Fast (Vif) 8分の6拍子、変ロ長調。

第2曲 Portugal ポルトガル。Moderate (Modéré) 4分の4拍子、ト長調。

第3曲 Italy (Italie) イタリア。Fast (Vif) 8分の6拍子、イ長調。

第4曲 United States (Etats-Unis) アメリカ合衆国。Slow (Lent) 4分の4拍子、ヘ長調。

第5曲 Mexico (Mexique) メキシコ。Animated (Animé) 4分の4拍子、ト長調。

第6曲 Brazil (Brésil) ブラジル。Fast (Vif) 4分の2拍子、変ロ長調。

執筆者: 西原 昌樹

楽章等 (6)

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

動画(0)

解説(0)

楽譜(0)

現在視聴できる動画はありません。  

楽譜 (0件)