作品概要
解説 (1)
演奏のヒント : 大井 和郎
(712 文字)
更新日:2024年5月14日
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演奏のヒント : 大井 和郎 (712 文字)
この曲の重要なポイントは、メロディーのシェーピング(フレージング)にあります。例えば、1~4小節間だけを考えてみたとき、どの音がどの音より弱いか強いか、決めていかなければならないのですが、冒頭、アーフタクトのメロディー、DCHは、ドミナントからトニックに入りますので、DCHはディミヌエンドで入るとします。
1小節目最後のメロディーHから2小節目のCに行くときは、上行していますし、2小節目が再びドミナントなので、HCと音量を上げます。2小節目の終わりから3小節目にかけては、3小節目は再びドミナントではありますが、メロディーが、CHAと下行していますので、ディミヌエンドにして、3小節目最後のAから4小節目のHは、ドミナントから4小節目、トニックに戻りますので、これは「和音の解決」と考え、AHは、ディミヌエンドにして、Hにアクセントが付かないようにします。
このように、単にメロディー音が上行、下行しているというだけではなく、使われている和音の種類によってもテンションは変わってきますので、それも考えに入れます。
その他、例えば15小節目1~2拍間は、1の和音(トニック)の第2転回形で、そこから3~4拍間、ドミナントに入り、次の小節で1の和音に行きます。これは、「ケーデンシャル64」という、典型的な第2転回形の進み方です。この進み方のルールとして、1の第2転回形のHは、次の和音でAに、Gは次の和音でFisに降りてくるという、第6音→第5音 第4音→第3音 という条件もありますので、この場合のトニックからドミナントは、ドミナントの方の音量を抑え、そして次の小節でトニックに降りますので、更に音量を控えるといった具合です。
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