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柴田 南雄 :4つのインヴェンションと4つのドゥーブル No.105

Shibata, Minao:4 Inventions and 4 Doubles No.105

作品概要

作曲年:1990年 
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集

解説 (2)

解説 : 仲辻 真帆 (586文字)

更新日:2018年4月20日
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「ピアニストがうたうピアノ曲」である。カンタービレで弾く曲、という意味ではない。こ の作品の最後には、実際に歌唱演奏がある。 作曲経緯としては、まず4つのインヴェンションが発表され、後に変奏の一種であるドゥーブルが各曲に付加された。 第1曲は、12音による2種類の総音程音列(相異なる12の音を11の音程でつなぐ音列で、短2度から長7度まですべての音程を含む)を自由に扱っている。第2曲はメシアンの音楽から技法がとられている。第3曲について、インヴェンショ ンが古典派ならば、ドゥーブルはバロック時代の舞曲に近似する。そしてこの作品を独創性の高いものとしている第4曲。茨城県鹿嶋の民謡《蛤掻き歌(カッタ巻)》が題材となっており、 その音階が全体に用いられている。ドゥーブル では、ピアニストが元来の民謡を歌唱する。『日本民謡大観 関東篇』 (日本放送協会、1944年、25 頁)によると、この民謡は、漁師が張り込みや豊漁の祝賀の際に高唱した唄にもとづいている。柴田の作品でうたわれる民謡の歌詞は次の通り。

ハァ ゲンタカ ゲンタカ ゲンタカ ヨットアラ、ヨイトコナノナ

カッタ巻くには 伝授は要らないヨイトコナノナ

今年ゃ豊年 百姓はにこにこおえびす顔だよ ヨイトコナノナ

《4つのインヴェンションと4つのドゥーブル》は、1991年に発表された。柴田南雄の最晩年の作品である。  

執筆者: 仲辻 真帆

About work(s) : 仲辻 真帆 (1504文字)

更新日:2018年4月20日
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