川上 統 :銀貨海月
Kawakami, Osamu:
作曲者による : 川上 統 (209文字)
■作曲者より
「銀貨海月」に関しましては2012年にオイリュトミーの公演に際して新曲として作らせていただいた曲です。銀貨海月という生物はクラゲという名前にはなっているのですが、正確には群体性のヒドラに近い生物です。遊泳能力はないのですが、浮かびながら半透明の触手を全方向に伸ばし、さながら銀貨のような美しさと危うさを湛えています。あまり動かない中心音から色々な形として「はみ出していく」和音に注視し、この曲を作りました。
演奏のヒント : 杉浦 菜々子 (197文字)
■演奏のヒント
和音の色彩の変化と浮遊感を感じながら演奏すると、光を浴びて海に浮かぶクラゲの姿が目に浮かぶようです。和音から和音への移り方はいつも同じニュアンスではなく、曲線的で緩やかな動きや、直線的で唐突さや意外性のある動きなど、生き物らしい自由性をもって弾くとよいと思います。演奏に際し、作曲者の川上氏は、再現部に至るところ(b.32)は遅めに思わせぶりに弾いてもよい、とおっしゃっています。
銀貨海月
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