このソナタは、C-durとG-durが交互に現れます。途中(展開部)では、他の調に転調する兆しも見せますが、結局G-durかC-durに落ち着きます。展開部はテンションが高くなりますので、それ相応に変化を付けるのですが、このソナタの重要な課題は、「如何に楽しさを伝えられるか」という点にあります。
全体は極めて楽天的なムードであり、深刻なことは一切ありません。考え方としては、「2人の人の楽しい会話」 と考えても良いですし、「ある人の楽しいお話を聞いている」 と考えても構いません。
このソナタの注意点としては、繰り返しがかなり多いが故に、曲が平坦に、しつこくなってしまいがちであり、それを避けるようにします。基本的には、強弱のコントロールが必要になります。例えば、4小節目2拍目より、8小節目1拍目までは、同じ事が2回繰り返される事になりますので、何らかの「違い」を付けることが重要になります。
13~14小節間も同じです。例えば、4小節目2拍目より、8小節目1拍目までは、最初はフォルテで、次はピアノでというようなエコーがかけられますが、13~14小節間に関しては、後々に17小節目の最高音であるCに到達する目標があるため、13小節目はピアノから始まり、14小節目は音量を上げて先に進む、と言った具合です。
テンポやアーティキュレーションは自由ですが、わくわくするような楽しさを演出する事を前提とし、奏者自信が楽しくなるテンポやアーティキュレーションを選んでみてください。