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小山 清茂 :かごめ変奏曲、テーマと8つの変奏曲

Koyama, Kiyoshige:

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:変奏曲

解説 (1)

解説 : 上田 泰史  (701文字)

更新日:2020年4月21日
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主題と8つの変奏からなる(最終変奏はコーダを兼ねる)。

主題:民謡「かごめかごめ」を主題に、バスをつけた簡素な書法によっている。時折、模倣風の応答が聴かれるが、それは模倣というほど手の込んだものではなく、いわば「間(あい)の手」である。

第1変奏:前奏曲風の上行アルペッジョだが、方向性のある和声ではなく、a-d-e-gの4音のみを用いるこだまする呼び声のような性格をもつ。残響が美しい。

第2変奏:明確に箏曲の様式を模倣した作風で、古き日本の「家庭的」雰囲気を持つ。

第3変奏:うってかわって、舞踏風の反復的な伴奏を持つモダンな様式。途中、半音外的な走句によって主題の原型が消えるが、最後の4小節で戻ってくる。

第4変奏:4度音程による重音(バス)と隣接する3音のクラスターがリズミカルに交替する。バスに主題が置かれている。

第5変奏: a-h-d-e-gの5音で構成される旋律・和声を基礎とし、そこに半音を織り交ぜることで、うねるような独特の響きを創り出している。もはや主題の面影は見えない。

第6変奏:うってかわって、主題をはっきりと打ち出したアルペッジョによる変奏。ふたたび箏を想起させるが、高音だけが用いられ、半音階的な動きも聴かれる。

第7変奏:第3変奏のモダンな舞踏的な様式による。手の交差を交え、技巧練習という側面も強い。途中、箏のようなアルペッジョが差し挟まれ、様式のコントラストを生む。

第8変奏(コーダ):性格は第7変奏を引き継いでいるが、7度の跳躍など、いっそうモダンな響きが追求されている。後半の旋律とトレモロの組み合わせは、ドビュッシーのピアノ書法を思わせる。主題は、ほとんど解体されている。

執筆者: 上田 泰史 

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