東 秋幸 :すずらん伝説
Higashi, Akiyuki:
解説 : 東 秋幸 (362文字)
ヨーロッパで言い伝えられている、すずらんにまつわる伝説からインスピレーションをうけた作品。
フランスでは「すずらんの日」と言って、5月1日に、大切な人にすずらんの花を贈り、その人の 幸せを祈るという風習があるそうだ。また、ヨーロッパではその花の形から「聖母マリアの涙」と表現され、大切にされている花の一つである。曲の前半ではこのようなすずらんの神聖なイメー ジを表現した。曲の後半は、森の大蛇と死闘を繰り広げたという森の守護神セント・レオナード の伝説の絵巻物である。伝説では、大蛇を倒したセント・レオナードが深い傷を負い、その場に倒れると、彼の横たわる地面に流れた血だまりから、一斉にすずらんの花が咲き乱れ、彼の傷を癒した、と言い伝えられている。
2019年6月に愛知県ゆめたろうプラザ響きホールにて、作曲者自身によって初演。