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キルヒホーフ : リゴドン ニ短調

Kirchhoff, Gottfreid : Rigaudon d-moll

作品概要

楽曲ID:67129
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:その他の舞曲
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (2)

解説 : 今関 汐里 (130 文字)

更新日:2020年3月1日
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ニ短調、2分の2拍子。AーBーAの三部形式。左手がバス、右手が旋律を担当する。B部分では、平行調のヘ長調になる。17小節目から22小節では、シークエンス(ゼクヴェンツ)で、2小節ごとに同じモチーフが繰り返され、その後に戻ってくるAに向けて、緊張感を高めていく。

執筆者: 今関 汐里

演奏のヒント : 大井 和郎 (758 文字)

更新日:2020年7月15日
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フランスの2拍子の舞曲でありますが、少し想像力を働かせ、例えばこれが高尚な貴族の会話のようなイメージを持つと、音楽は少し変わってきますね。この曲にはある種の「威厳」が欲しいと筆者は考えています。男性女性で言えば男性の要素が強い音楽ではないかと思っています。よって、音質はしっかりした音質が望ましく、消えてしまいそうな音質であるとか、極端にメローディックなシェーピングは必要ないと考えます。

例えば、冒頭2小節間、2小節目の1拍目Dから3拍目のAに降りてきます。本来であればAをDよりも弱く弾きたいところなのですが、極端に弱くならないように注意します。あるいはAもDと同じくらいの音量でも構わないと思います。

1ー2小節間に比べて、フレーズの後半である3ー4小節間、は付属の部分と考えますので、1ー2小節間よりも音量は下がるかも知れません。

次に5ー8小節間と、1ー4小節間を比べます。a-mollに転調するように聞こえるのですが、実際はD-mollのドミナントで終わります。つまり半終止形になりますね。

これまでの8小節間は真面目で、威厳があり、真剣です。しかし10ー18小節間、急にF-durに転調しますね。少し、ウイット、ユーモア、おしゃれ、の要素を感じて楽しく弾いてみましょう。

18小節目から2小節単位のシークエンスがスタートしますね。シークエンスは4つあります。一つ一つが徐々に大きくなっていきます。そして最終的に26小節目で先ほどの生真面目さ、真剣さ、威厳が戻ってくるような感じです。

そして最後31小節目、この曲中では最も高い位置にあるAに達しましたね。上行してたどり着く高い方のAは少しだけ時間を取っても良いかもしれません。

曲はリズミカルに、生き生きと、ハッキリしたマルカートで、しかし重たくなく演奏して下さい。

執筆者: 大井 和郎

楽譜

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