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フンパーディンク :ヘンゼルとグレーテル

Humperdinck, Engelbert:Hänsel und Gretel

作品概要

楽曲ID:64545
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:練習曲
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

解説文 : 熊本 陵平 (465文字)

更新日:2025年1月17日
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三部形式 a(1から4小節)+b(5から8小節)+a1(9から12小節)

 調性はハ長調。楽節a及びa1では前半2小節主音から順次進行で上行する。この時、ただ上行するラインとして捉えるだけでなく、左手の二分音符に沿って和声が変化していることも注意したい。

こうしたバス(低音)の順次進行による上下行は横への流れが意識されやすいし、このような単純な2声の構造では和音構成音のいずれかが欠いているので和声が感じにくい。したがって、レッスンにおいては生徒に和声を感じてもらうため、指導する側が楽譜上欠いている和音構成音を補って、完全な形での和音を弾いてみるのも良いかもしれない。

楽節bは、属和音から開始される不完全カデンツで構成されている。また、左手は5から6小節にわたって全音符の属音がタイで繋がれており、楽節全体の動きは少ないものの、和声的な緊張が感じられる。

執筆者: 熊本 陵平