Damase, Jean-Michel:Pastorale

作品概要

出版年:1950年 
初出版社:Pierre Noël (のち Billaudot)
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:★ 種々の作品 ★
総演奏時間:1分30秒

解説 (1)

解説 : 西原 昌樹 (834文字)

更新日:2019年5月27日
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リュセット・デカーヴ(Lucette Descaves)監修の初中級の学習者向きの曲集「レ・コンタンポラン」(Les Contemporaines 現代の作曲家たち/全4巻)の第1巻所収。デカーヴは特に現代曲を得意としたピアニストであったが、教育者としての評価も高く、パリ音楽院ピアノ科の彼女のクラスは多くの俊英を輩出したことで知られる。こうした意欲的な出版企画も、デカーヴの広い人脈と卓越した指導力により実現したものといえよう。フランスのこの種の曲集として、日本ではルモワンヌ社の「子どもの庭」(Jardin d’Enfants)や「カイエ・ド・ルモワンヌ」(Cahier de Lemoine)などが普及しているが、全4巻で60余名もの第一線の現代作曲家の質の高い作品が集められた本曲集の教育的な実用性、芸術的な価値の高さにあらためて着目したい。

ダマーズの本作品は曲集への書き下ろしで、「リュセット・デカーヴに、そして彼女の生徒たちに」との献辞がある。アレグロ・モデラート、8分の6拍子、ハ長調、自由な形式による2ページの小品である。ダニエル=ルシュール(Daniel-Lesur)は曲集の序文の中で、本作品について「最も若い作曲家の一人であるダマーズは、パストラールの中で、旋律的曲線の優雅さに繊細な不協和音を加えることができることを証明する」と紹介している。確かに、長短2度あるいは長短7度の音程の和音が多用されるが、個性的なメロディと自然に調和して美しく響く。また、聴き手には気付かれにくいが、黒鍵や臨時記号を一切用いず白鍵のみで奏されるという一種の遊びがあるのも面白い。ローマ帰りの新進気鋭の作曲家らしい研ぎ澄まされた筆致である。初中級の教材として有用であることは言うまでもない。

執筆者: 西原 昌樹
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