まずはこの曲の構造を知っておきましょう。裏拍から新たなフレーズが始まる回数が圧倒的に多く見られます。
前半を1~10小節目まで
後半を11~20小節目までとします。それぞれ10小節ずつピッタリと分かれます。
ここから先は、ご自身の楽譜にそれぞれのフレーズ番号を書いてみて下さい。その方が速く探せますし、わかりやすいです。
フレーズ1 1~4小節目2拍目表拍まで
フレーズ2 4小節目裏拍から6小節目2拍目表拍まで
フレーズ3 6小節目2拍目裏拍から8小節目2拍目表拍まで
フレーズ4 8小節目2拍目裏拍から10小節目まで
フレーズ5 11小節目から12小節目2拍目表拍まで
フレーズ6 12小節目2拍目裏拍から14小節目2拍目表拍まで
フレーズ7 14小節目2拍目裏拍から16小節目2拍目表拍まで
フレーズ8 16小節目2拍目裏拍から18小節目2拍目表拍まで
フレーズ9 18小節目2拍目裏拍から20小節目まで
ここで、フレーズ1だけが唯一、4小節の長さを持つフレーズです。何か威厳を感じるようなフレーズですね。実は、後半、フレーズ5と6が、丁度フレーズ1の代わりとなります。その理由は、フレーズ2-3-4 と、フレーズ7-8-9は全く同じ素材を使っていることがわかりますね?すなわち 2と7,3と8,4と9が同じ素材であることがわかります。
フレーズ2と7に関して。フレーズ2は転調していると見なしてもかまいません。D-durに転調していると仮定します。フレーズ7はオリジナルのG-durですので、同じ素材でも落ち着いた感じがしますね。
フレーズ3と8に関して。どちらも上行してピークに向かうフレーズですね。フレーズ3が音階で終わる終わり方に対して、フレーズ8はアルペジオで終わっていますね。そのほうがG-durをより強く感じられます。
フレーズ4と9に関して。やはり4は調が変わっているので、落ち着かない感じがしますが、9はもう終わりの部分であって、G-durからどこか他の調に行く感じは全くしませんね。
これらを元に、音楽を作っていきましょう。例えばですが、これは2つのキャラクターの会話と仮定してもかまいませんし、多くの楽器のアンサンブルと仮定してもかまいません。ご自分で好きな劇やアンサンブルなどを考え、ダイナミックを決定し、音質を決定し、各フレーズを「異ならせる」ことがこの曲の演奏のヒントになります。