バッハ, カール・フィリップ・エマヌエル :アレグロ ト長調 ト長調 Wq. 116/54 H. 328

Bach, Carl Philipp Emanuel:Allegro G-Dur G-Dur Wq. 116/54 H. 328

作品概要

楽曲ID:63331
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:種々の作品
総演奏時間:1分00秒
著作権:パブリック・ドメイン
原曲・関連曲: 曲集・オムニバスプレ・インベンション

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:応用1 応用2 応用3 応用4 応用5

楽譜情報:8件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (990文字)

更新日:2023年5月15日
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まずはこの曲の構造を知っておきましょう。裏拍から新たなフレーズが始まる回数が圧倒的に多く見られます。

前半を1~10小節目まで

後半を11~20小節目までとします。それぞれ10小節ずつピッタリと分かれます。

ここから先は、ご自身の楽譜にそれぞれのフレーズ番号を書いてみて下さい。その方が速く探せますし、わかりやすいです。

フレーズ1 1~4小節目2拍目表拍まで

フレーズ2 4小節目裏拍から6小節目2拍目表拍まで

フレーズ3 6小節目2拍目裏拍から8小節目2拍目表拍まで

フレーズ4 8小節目2拍目裏拍から10小節目まで

フレーズ5 11小節目から12小節目2拍目表拍まで

フレーズ6 12小節目2拍目裏拍から14小節目2拍目表拍まで

フレーズ7 14小節目2拍目裏拍から16小節目2拍目表拍まで

フレーズ8 16小節目2拍目裏拍から18小節目2拍目表拍まで

フレーズ9 18小節目2拍目裏拍から20小節目まで

ここで、フレーズ1だけが唯一、4小節の長さを持つフレーズです。何か威厳を感じるようなフレーズですね。実は、後半、フレーズ5と6が、丁度フレーズ1の代わりとなります。その理由は、フレーズ2-3-4 と、フレーズ7-8-9は全く同じ素材を使っていることがわかりますね?すなわち 2と7,3と8,4と9が同じ素材であることがわかります。

フレーズ2と7に関して。フレーズ2は転調していると見なしてもかまいません。D-durに転調していると仮定します。フレーズ7はオリジナルのG-durですので、同じ素材でも落ち着いた感じがしますね。

フレーズ3と8に関して。どちらも上行してピークに向かうフレーズですね。フレーズ3が音階で終わる終わり方に対して、フレーズ8はアルペジオで終わっていますね。そのほうがG-durをより強く感じられます。

フレーズ4と9に関して。やはり4は調が変わっているので、落ち着かない感じがしますが、9はもう終わりの部分であって、G-durからどこか他の調に行く感じは全くしませんね。

これらを元に、音楽を作っていきましょう。例えばですが、これは2つのキャラクターの会話と仮定してもかまいませんし、多くの楽器のアンサンブルと仮定してもかまいません。ご自分で好きな劇やアンサンブルなどを考え、ダイナミックを決定し、音質を決定し、各フレーズを「異ならせる」ことがこの曲の演奏のヒントになります。

執筆者: 大井 和郎