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鈴木 豊乃 :ふしぎなポケット

Suzuki, Toyono:Magical Pocket

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:教則本
原曲・関連曲: 渡辺 茂ふしぎなポケット

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (827文字)

更新日:2018年3月12日
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わずか8小節の曲ですし、極端に音符の数も少ないですが色々工夫してみましょう。筆者が見ている楽譜には全くアーティキュレーションが書いてありません。これはある意味チャンスです。魅力的なアーティキュレーションを考えてみましょう。仮に筆者がこれを演奏するとしたら、割とスタッカートの音符が多くなると思いますがその辺りは自由ですが、曲そのものが楽しい曲ですので、スタッカートを付けることによって楽しさが増しますね。 強弱記号も一つしか書いていません。メゾフォルテが最初に書いてあるだけですが、仮にメゾフォルテのみの強弱と仮定したとしても、その中でも強弱の変化は付けるべきであると思います。音型を見てみましょう。メロディーラインはGから始まり、4小節目で5度上のDまで達します。そのあと音階を辿って下行し、元の高さのGまで戻って終わります。故に、4-5小節目辺りが最もテンションの高くなるところと考えます。 そしてこの曲のもう一つ、注目したいところはポリフォニー(多声)で書かれてある事です。左手の音型をご覧ください。1-3小節目までは、G G G H D D と6つの音符がありますね。これは、右手の1-2小節目のメロディーラインである、 GGGH DD とぴったり一致しますね。右手は8分音符で書かれていて、左手は4分音符で書かれています。これは作曲の技法の1つで、Augmentation(オグメンテーション)と呼ばれる技法です。元の素材を音価の大きい音符で再現しています。効果的な演奏法としては、左手2-3小節間を使って少しダイナミックレベルを上げると良いかもしれません。これが1つ。 もう1つは、4小節目の左手、GGGHという8分音符で次の小節でDに達します。これはカノン的な技法で、右手3小節目のGGGHを1小節遅れで追っかけている形です。このような場合、4小節目の左手を大きめにすることにより。カノンの効果を得ることが出来ます。是非試してみてください。

執筆者: 大井 和郎

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