やはりh-mollという調は舞踏の要素が多かれ少なかれ入っているみたいで、このフーガ、大変楽しく、バッハが上機嫌なのが手に取るようにわかりますね。故に、このフーガの場合、8分音符は間違ってもレガートで弾かない方が良いです。8分音符はすべてスタッカートで軽快に弾いてください。多少のアレガートは入れても構いませんが、軽さ、楽しさを損なわないようにします。

例えば3小節目、1拍目から2拍目までをレガートでつなぎ、2拍目、3拍目をスタッカートに、あるいは、1拍目はスタッカートで、2拍目から3拍目をレガートでつなぐ等、色々考えられますね。筆者であれば、1小節目、3~4小節間、すべてスタッカートにして、5小節目の1拍目の8分音符は2拍目まで繋げると思います。

さて、このフーガも、

h-moll

fis-moll

D-dur

A-dur

e-moll

と、テーマが多くの調で登場します。それぞれの調に性格や雰囲気を与え、音質や音量を変えて、平坦に(すべて同じように)ならないように気をつけてください。プレリュードと同様に各調のムードを考えて、辻褄を合わせてみてください。