バッハ :第11番 前奏曲とフーガ 第11番 フーガ BWV 880 ヘ長調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.11 Fuge Nr.11 F-Dur

作品概要

楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集

解説 (1)

解説 : 大井 和郎 (884文字)

更新日:2019年1月9日
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【フーガ】

プレリュードが、横に流れる穏やかなプレリュードに対して、このフーガは6/16で書かれており、そう書いてあると何故かテンポはかなり速いと思ってしまいます。バッハは勿論6/8も使いますが、わざわざ6/16を使うときは限られています。例えばフランス組曲G-durのジーグであったり、Ddurのトッカータにこの拍子が見られます。6/8でも書くことはできたはずなのですが、6/16を選ぶからにはそれなりの理由があると考え、その理由とは単にテンポが速いことであると思って しまいがちですが、それはそれで問題が起きます。

筆者の考えからすると、89小節目以降などに多く登場する32分音符がクリアーに聞こえるテンポが適切だと考えます。あまり残響の多いホールでこのフーガを速く演奏しすぎると、これらの32分がグリスアンドのように聞こえてしまうかもしれません。そのような可能性も懸念し、ここはそこまで速すぎないテンポを選びます。

果たして6/16で書く意味というのは、単にテンポを速くするという意味のみならず、テンションそのものを高く保つという意味で考えて良いと思います。

このフーガを上品に、デリケートに弾くピアニストがいますが、このフーガはF-durであることを忘れてはいけません。F-durの他の曲を思い浮かべてください。非常に強い表現の調です。そして、とても楽しい調でもあります。バッハがこのフーガを書いているときどのような機嫌であったかを考えてみてください。これ以上楽しい時間もそうは無いのでは無いでしょうか?  61小節目は、このフーガで最も音量が大きくなる部分の1つかもしれません。そして85小節目からの主題は87小節目1拍目で一瞬だけ短調になります。ユーモアたっぷりの書法ですね。楽しさに満ちあふれています。

そして32分音符を迎え、94小節目で一度音量を落とし、そこから最後まではテンションをさらにどんどん上げてしまいます。人の評判など気にせず、きれいにまとめようと思わず、単に音量を上げるのでは無く、多大なるエネルギーを感じさせる終わり方で演奏してください。

執筆者: 大井 和郎

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