バッハ :第8番 前奏曲とフーガ 第8番 フーガ BWV 877 嬰ニ短調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.8 Fuge Nr.8 dis-moll

作品概要

楽曲ID:62209
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:5分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (469文字)

更新日:2023年9月14日
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このフーガは悲しみの表現であり、悲痛の表現です。感情的なテーマは、最初の音から徐々に5度上の音をピークポイントとして上行し、そこから下がっていきます。そのテーマにプラスして、半音階的進行が随所に見られ、それは更に悲しみを表現しています。副主題も、例えば、3小節目2拍目から始まりそこから半音階的進行を混ぜながらどんどん上行していきます。感情が強くなっている表現です。

曲中にはピークポイントがいくつかあり、そこに向かって行くのですが、わりと長いスパンを取るようにします。そうすることで方向性が出てくるからです。例えば、15小節目からバスのテーマが始まると、徐々に16分音符が増えてきます。テンションが高まっていくスタートの部分です。

そしてそれは、最終的に、22小節目でピークポイントを向かえますのでそこまでテンションを下げずに向かうようにします。

音が高い位置にあるからピークポイントとは限らず、例えば、38小節目ではソプラノはHまで上がりますが、下はト音記号で、これはどちらかと言うと悲しみの表現でもpで表現する部分と考えます。ご参考まで。

執筆者: 大井 和郎