バッハ :第4番 前奏曲とフーガ 第4番 フーガ BWV 873 嬰ハ短調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.4 Fuge Nr.4 cis-moll

作品概要

楽曲ID:62205
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:2分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (742文字)

更新日:2023年9月14日
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このフーガのテンポに関しては、様々な考え方があると思います。複合拍子であること、半音階的進行があること、16分音符が基本の音符であること、等多くの議論があって然るべきですが、一般的には割と速いテンポで弾かれていることが多いです。このフーガのテンポは最終的には奏者に委ねて良いと思いますので、奏者が適切だと思うテンポを選べば良いです。

このフーガの難しいところは、テーマが最も細かい音符である16分音符で書かれていることです。16分音符で書かれていますので、テーマを出そうとするとどうしても細かい音符の方が音量が大きくなり、より音価の高い音符を消してしまうからです。

そこで結論から申し上げますと、音価の高い音符、この曲では付点8分音符、4分音符、付点4分音符、等、音価の高い音符ほど大きく聴かせるようにして、16分音符の音量は控えるようにするととてもわかりやすい曲になります。そしてこれら音価の高い音符が無い部分に関しては、テーマを出すと良いでしょう。

例を挙げます。例えば8小節目辺りからは全声部が下行形となり、13小節目のソプラノAまで降りてきますね。そしてそこからシークエンスを辿り、こんどは上行を始めます。上行を始めるとテンションは上がりますが、そこで16小節目のソプラノ、cisから始まるテーマを(突然でも構いません)強く出します。このとき、音価の高い音符は16小節目にはありませんので、このような部分はテーマを大きく出しても問題ありません。

しかし例えば66小節目でアルトがcisから始まるテーマを出してしまうと、ソプラノの半音階的進行が消されてしまいます。こういうところは、テーマを控え、音価の高い音符をはっきりと聴かせることで、曲のバランスが取れ、音楽がわかりやすくなります。

執筆者: 大井 和郎