バッハ :第22番 前奏曲とフーガ 第22番 前奏曲 BWV 891 変ロ短調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.22 Prelude Nr.22 b-moll

作品概要

楽曲ID:62199
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:3分10秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (849文字)

更新日:2023年9月14日
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バッハの音楽の楽しさの1つは、知っている素材が多くの調で、または多くの異なったパターンで次々と出てきたり、重なり合ったりする、パズル的な楽しさでもあります。このプレリュード、83小節分もある長いプレリュードですが、特にピークポイントらしいポイントもなく、綺麗な旋律が次々に横に流れていくイメージであるため、平坦になりがちですし、知っている素材が存在しない部分では、音楽がどのような方向性であるのかがよく解らなくなります。

このプレリュードには2つの重要素材があると思って下さい。1小節目から説明しようと思ったのですが、素材の都合上、8小節目から説明します。8小節目ソプラノの声部にあるAsから始まる素材が1つめの素材で、10小節目の2拍目まで、つまりはFまでとします。

もう1つの素材が、10小節目3拍目、同じくソプラノFから始まる、F F F EF G G G FG As AS ~という素材です。

まず、曲全体からこの2つの素材を全て見つけ、チェックを付けておきます。この2つのどちらかが出てきた場合は、優先してこの2つの素材をはっきりと聴かせます。

では、この2つの素材が出てこないところはどうするかと言いますと、その場その場の状況で工夫をします。例えば、13小節目は2つめの素材が終わったところですが、2つめの素材が上行して、Asまで到達し、さらにBまで上がろうとしています。14小節目、Bまで上がったら、16小節目で、f-mollに転調しますので、ここで1つの終止形(カデンツ)として終わらせます(終わらせるというのはテンポを落とすとか止まるとかそういうことではありません)。

例えばですが、その先。16小節目、バスの8分音符を聴かせ、17小節目、同じ素材のアルトを聴かせ、18小節目バス、19小節目ソプラノ、という掛け合いが出来ますね。

次にメインの素材が来るのは25小節目(バス)ですので、それまでは、シークエンス等を使って強弱を変化させながら、常に方向性を持たせて次の素材まで繋ぐようにします。

執筆者: 大井 和郎
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