バッハ :第17番 前奏曲とフーガ 第17番 前奏曲 BWV 886 変イ長調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.17 Prelude Nr.17 As-Dur

作品概要

楽曲ID:62194
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:4分00秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (780文字)

更新日:2023年9月14日
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調性はAs-durの大変長いプレリュードです。As-durは楽天的な調と認識しても間違いではありません。割と品があり、深刻な側面はみられません。このプレリュードは、77小節もあり、まとめるのは大変ですが、分析をして、曲をいくつかに分割することで、解りやすくなります。

まず1小節目の重厚な和音とともに左手が下行します。tuttiと考えても良いです(ここから先、tuttiと呼びます)。そして2小節目、soloと考えて良い部分があり、3小節目再びtuttiの部分、そして4小節目再びsoloの部分とします。この1~2小節間、3~4小節間はペアで来るとお考え下さい。そしてこの冒頭4小節が再び来る場所が、曲の分割地点になります。

それは17小節目でEs-durで来ます。18小節目solo、19小節目tutti、20小節目soloと1~4小節間と同じ事が起きていますね。さて、ここまでを考えてみましょう。

1~16小節間で、もっともピークを迎えるのはどこでしょうか?12小節目から始まる上行形シークエンスが徐々に上がってきてピークを迎えるのは16小節目の1拍目ソプラノのBが来るところですね。そうすると、今度は、5小節目から一度6小節目でBに達しますが、そこから下行形シークエンスで下がってきます。そして10小節目あたりから再び上行に入りますね。

これだけでもかなり強弱的にまとめやすくなるのではないでしょうか。以降、同じように分析を続けます。

52小節目tuttiが始まりますが、今回はちょっと違います。1小節おきですが、tuttiがsoloに挟まれながら、59小節目まで続きます。テンションが徐々に高くなっていくことを意味しています。68~69小節間あたりが次のピークポイントかもしれません。

このように、tuttiの部分に注目して曲を分割すると分析がとても楽になります。

執筆者: 大井 和郎
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