バッハ :第14番 前奏曲とフーガ 第14番 前奏曲 BWV 883 嬰ヘ短調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.14 Prelude Nr.14 fis-moll

作品概要

楽曲ID:62191
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:3分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:2件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (534文字)

更新日:2023年9月14日
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3小節目ソプラノの悲痛な叫び、6小節目テノール(ヘ音記号上声部)に出てくる、迷いを生じるような3連符、25小節目から3小節間、半音階的進行を見せるソプラノ、34小節目のナポリの6、等々鑑みると、大きなドラマではないものの、悲しみの表現と考えて良いと思います。

1小節目、テーマのあと、3小節目の副主題で悲しみの表現後、曲はシークエンスを辿りながらしばらく上行下行を繰り返します。21小節目、A-durで落ち着いた感じがする部分ですが、22小節目で悲痛なテーマが出てきます。ここから徐々にピークポイント向かいます。テンションを決して下げずに、27~28小節間のピークポイントに達して下さい。テンポを少しゆっくり目にして29小節目のフェルマーターまでたどり着きます。

ここから先で最もテンションの上がる場所は、33小節目のHに達した右手です。そして34小節目でナポリを迎え、36小節目、長7度(1拍目)や減5度(3拍目)テンションは高いまま、再び路頭に迷う3連符が37小節目に登場し、そこから下行形シークエンスで39小節目に達し、そこから徐々に落ち着いて下さい。

大きなドラマでは無いですが、細部に至る、音程、和音の種類、緊張感、安心感などを敏感に感じ取って演奏してみて下さい。

執筆者: 大井 和郎
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