バッハ :第1番 前奏曲とフーガ 第1番 前奏曲 BWV 870 ハ長調

Bach, Johann Sebastian:Prelude und Fuge Nr.1 Prelude Nr.1 C-Dur

作品概要

楽曲ID:62178
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
総演奏時間:2分50秒
著作権:パブリック・ドメイン

ピティナ・ピアノステップ

23ステップ:発展3 発展4 発展5 展開1 展開2 展開3

楽譜情報:3件

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (622文字)

更新日:2023年7月17日
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このプレリュードは、バッハの集大成と言っても過言ではないほどスケール感は大きく、その中に様々な感情的なドラマが詰まっています。このプレリュードは、多くの音価の高い音符、2分音符や全音符がバスとテノールの低音部分に書かれていて、それがタイで繋がれるなど、オルガンで演奏する方が適しているプレリュードと推測されます。

転調も、平行調は勿論、遠隔調までに及びます。故にスケール感はとても大きく、故に、テンポは決して快速ではなく、ゆったりとしたテンポがふさわしいです。1小節目3拍目に出てくる32分音符が弾かれたときに、焦燥感を感じさせないテンポにして下さい。

このプレリュードには、多くの半音階的進行が見られます。例えば、18小節目、4拍目からスタートするソプラノをご覧頂ければ半音階で下行しているのがわかります。この時代の半音階とは極めて新しい風潮であって、湾曲した世界であったり、悲しみ、辛さの感情表現でもありました。従って、総合的に考えたとき、このプレリュードにはC-durという極めて純粋無垢な調であるにも関わらず、ドラマがあり、感情面が強く感じられますが、決して舞曲でも無い、軽快でも無い、技を見せるものでもなく、ゆっくり、どっしりとした流れの中に、喜怒哀楽を感じる、奥深いプレリュードです。

故にあまり速いテンポでは無く、スタッカートを用いるような軽快さでもなく、メトロノームのように正確に硬く進むのでも無く、落ち着きの中に歌心を入れて下さい。

執筆者: 大井 和郎
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