Alkan, Charles-Valentin:Deux petites pièces Op.60

作品概要

出版年:1859年 
初出版社:S.Richault
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:性格小品
総演奏時間:9分50秒

解説 (1)

総説 : 上田 泰史  (715文字)

更新日:2014年11月20日
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出版: Paris, Simon Richault, 1859

第2 番「私の愛しい束縛」 イ短調 やや遅く

2 曲から成る作品60 に収録された第1 番「私の愛しい自由」(嬰ヘ長調)と対をなす1 曲。活気漲る爽やかな第1 番に対して、「束縛」の主題は限られた音域と反復的なリズムを特徴とする。この限定的な主題からアルカンは旋律素材、リズム・モチーフ(動機a, b)を抽出し巧みに展開する。

素朴な冒頭主題(主題A)に続くヘ長調の中間部(33 小節)は動機a に基づく。ホ短調の「カンタービレ」セクション(53 小節)では新しい主題(主題B)が登場し、やがて両手で動機b に基づく対話が繰り広げられる(65 ~ 80 小節)。次に示す主題再現部の直前の3 小節(77~ 80 小節)では動機 b が両手で3 拍ずつのシークェンスを形成し濃密なテクチュアを織り上げる。

主題A とB は、主題再現部(81 小節)で結合され、同時に現れる。右手は主題A を奏で、左手は主題B のリズム断片を執拗に反復する。89 小節から95 小節にかけては左手に動機b が1 拍ごとに交代し、コーダに向けて密度と緊張感を高める。

「愛情を込めてcon amore」の指示で始まるイ長調のコーダ(96 小節)では主題B、主題A がこの順で現れ交響的な響きの中で要約される。ここは両手の伸張が求められる難所だが、演奏者の技量に応じて選択できる簡易版を校訂者側で挿入した。

新しい素材を極力用いず、既出のモチーフで全体を纏め上げることで、展開は首尾一貫したものになる。その意味でこの禁欲的な衝動は創作上のメリットであり「束縛」が「愛しい」というのはそれゆえではないか。

執筆者: 上田 泰史 

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私の愛しい束縛 ポーコ・レント Op.60-2

調:イ短調  総演奏時間:5分20秒 

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