モシュコフスキ :16の技術練習曲 第2番 Op.97 イ短調
Moszkowski, Moritz:16 Esquisses Techniques pour piano *in preparation* a-moll
解説 : 上田 泰史 (272文字)
オクターヴと両手の対照的な動き、急速なポジション移動の練習曲。主題は16分音符による細かい動きのアラベルクの中に、ゼクエンツ風の旋律が配置されている(第1-2小節右手:e-a; d-g; c-f; h-e)。この主題は、A-B-A’のA’で回帰するが、最後に提示されるときに、イ長調/イ短調をぼかすcisが現れ、意表をつく。性格は、Molto allegro energico(きわめて快活に、エネルギッシュに)だが、旋律とバス、内声を終始等しく強く演奏するのではなく、声部間のバランスに配慮し旋律(フレーズ)を浮き上がらせる機微が求められる。
16の技術練習曲 第2番
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