スクリャビンの影響を受けているような、肯定的な強い感情を表現する曲です。一見するととりとめが無い曲のように思われますが、分析をすることで構成がとてもよくわかります。
アーフタクトを含めた1小節目から始まるフレーズは、4小節目の2拍目でAisに達し、そこから徐々に下行し、9小節目にてCisで落ち着きます。
そこで、最初のフレーズを1~9小節間とします。
10小節目から始まるフレーズは、1小節目のフレーズを4度上に上げただけに過ぎません。1小節目と10小節目,2小節目と11小節目、3小節目と12小節目、それぞれを見比べると、10小節目以降というのは、すべての構成が1~9小節間とそっくりそのまま移調されてあることがわかりますね。結果、2つめのフレーズは10~18小節間になります。
1小節目の2拍目で左手の音階が単音で書かれていることに対して、10小節目では3拍目で左手がオクターブになっています。そのような部分から察して、1~9小節間よりも10~18小節間の方がよりテンションが高いとします。
となり、19小節目以降は次のピークポイントである、30小節目に向かい、シークエンスが多く出てきます。まず1つめのシークエンスは、19~22小節間、2つめのシークエンスは、23~26小節間になります。この2つのシークエンスは当然2つめの方がテンションが高くなりますので、それなりのダイナミックを付けます。
次のシークエンスは、1小節単位で3つのシークエンスになります。すなわち、27小節目、28小節目、29小節目の3つがシークエンスで更にテンションを上げ、30小節目に達します。
シークエンスは、最初は9小節ずつ、次に4小節間ずつ、最後に1小節ずつになりますね。感情が急激に高ぶっていく表現とお考え下さい。
1 1~9小節間
2 10~18小節間
3 19~22小節間
4 23~26小節間
5 27小節目
6 28小節目
7 29小節目
8 Coda 30~40小節間