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ハチャトゥリアン :イワンの冒険 イワンはとても忙しい

Khachaturian, Aram:*in preparation* *in preparation*

作品概要

楽曲ID:55788
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:曲集・小品集
著作権:保護期間中

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (1159文字)

更新日:2018年3月12日
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4.イワンはとても忙しい

このエチュードで注意すべき点はテンポと軽さです。主観的な話にはなりますが、テンポは軽快に進むテンポが望ましく、あまりにも遅いと重たく聴こえます。軽さは、スタッカートやアーティキュレーションで決定されます。スタッカートをできる限り短いタッチで弾くことが望ましいです。

スタッカートを短く切るには、強い指が必要になります。基本的な練習曲などで指や筋肉を鍛えることをお勧めします。この曲に登場する8分音符はほぼ(8-9割)スタッカートと考えて良いと思います。

もう一つの注意点はバランスです。メロディーラインと伴奏がとても近い位置にありますので、バランスを取ることは必須です。 それでは楽譜を見ていきましょう。形式はABAで、最初のAセクションは1-21小節間です。この中で2箇所、ピークを迎える部分があります。1つは13小節目、もう1つは20-21小節間です。1小節目から楽譜を追っていくと、左手が半音階進行で、先に進むにつれて下行している事がわかりますね。しかしながら、この場合13小節目に向かって、下行していようとも、徐々に音量を上げて下さい。13-14小節間で最初のピークに達しますが、この右手の和音はできる限り、強く、短く、鋭く、そして上の音である、BとFを小指ではっきりと聴かせます。

Bセクションは22小節目から始まりますが、あまり時間をとりすぎずに22に入って下さい。22からはf-mollになります。37小節目、Fの連打はさながら打楽器のように弾きます。39-49小節間がこのセクションのピークになります。この間、8分音符は鋭いスタッカートを保って下さい。このセクションは51小節目までになり、52小節目から再びAセクションに戻ります。

13小節目の和音の練習方法をお伝えします。このような鋭い和音を弾く場合、「瞬発力」が鍵になります。瞬発力とは一瞬だけ入る力の事で、力を入れ続けてはいけません。実際にやってみましょう。13小節目の和音を使います。右手を鍵盤に乗せてみて下さい。Des F Bは1 2 5で良いと思います。鍵盤を下に降ろさずに(弾かずに)上から乗せて、指で鍵盤を触った状態にしておきます。次に、その状態のまま(注意:弾く時に指を上げない)、一瞬の強い力を入れてみてください。そうすると、鍵盤が一番下に降りた瞬間に、反動で力が返ってきますので、その力に任せて手首を上に素早く上げます。何か、熱いものに手を触れてさっと手を外す感じで、本当に一瞬ですが、この瞬発力が良い音を出してくれます。「さあ、力を入れるぞ」と準備したり、構えるのではなく、本当に電気が走ったように一瞬の行動にします。鍵盤を下に降ろすというよりは、手首や腕を反動で上げることを目的のような感覚です。ご参考まで。

執筆者: 大井 和郎
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