この曲に限らず、他の作曲家の作品でも発生する事案ですが、聴き手に、果たして1拍目がどこであるかを判らせなければなりません。大変重要な事です。ではどうすれば良いかという話になりますが、例えば、アーフタクトのA(右手)を左手のDと共にレガートで1小節目のA(右手)へ、左手はCisへ切れ目なく繋ぎ、1小節目の音符は全てスタッカートにします。
2小節目、全ての音をレガートに。あるいは、右手はFis E D とスタッカートで、4拍目のGだけをレガートにして3小節目のGまでつなぎ、左手は、付点2分音符のDを4拍目のCisまで伸ばし、Cisもレガートで次の小節のHまでつなぎ、3小節目を全てスタッカートにします。
付点2分音符に対しては、少しアクセントを付けてあげると、音楽は縦割りになり、1拍目の場所を把握できます。以降、同様なアーティキュレーションで進みます。こうすることで、何処が1拍目であるかクリアーにわかります。
曲は威厳を持って演奏します。ピッチの高い音に対してはより多くの音量を与えると良いです。ちなみに前半で言うと14小節目がピークポイントになります。
筆者であれば、もしかしたら各声部にオクターブや和音を加えたり、左手をオクターブ下げたりして、重厚な音で弾くと思います。