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バッハ :協奏曲 アレグロ-アダージョ BWV 979

Bach, Johann Sebastian:Concerto Allegro - Adagio

作品概要

楽曲ID:54299
楽器編成:ピアノ独奏曲 
ジャンル:リダクション/アレンジメント
総演奏時間:3分30秒
著作権:パブリック・ドメイン

解説 (1)

演奏のヒント : 大井 和郎 (733文字)

更新日:2023年10月6日
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この楽章のアレグロのセクションは、カットタイム(2/2)で書かれていて、この時代の2/2拍子というのはかなり高速な演奏となるものなのですが、どうしてもこの曲を2拍子ではなく、4拍子で感じないとなかなか演奏が困難な部分が出てきます。それが、39小節目から始まる連打で、これを伴盤楽器1つで1人で弾くのは至難の業です。

また6小節目のような32分音符も出てきますので、あまりにもテンポが速すぎると、このような細かな音符もはっきり聴きづらくなりますね。故に、普通にアレグロで、実際のところ2拍子ではなく、4拍子でカウントしても良いのではないかと筆者は思っています。

次にアダージョのセクションですが、筆者の持っている楽譜にはアダージョではなく、(Grave)と書かれています。括弧がしてあるので、そのくらい遅くという意味だと思います。そしてそれは正しい表記で、あまりにもテンポが速いと(例えば4分音符=40とか)、無理が生じる箇所があります。アダージョセクションの3小節目、3~4拍間、3拍目でACEという和音ですが、4拍目に出てくるAisがどうにも不自然でなりません。そこで、3拍目から4拍目の表拍の音であるCで、一度切ります。裏拍のH以降はどちらかと言うと4小節目のFis Ais Cisを導くものと考えます。そうするとテンポはかなり落とさなければなりません。

故に、テンポを相当落とした場合、1~2小節間、アルペジオにしたり、即興的なパッセージを加えても良いと思います。逆に、あまりにもテンポが遅いと間が持たないと考える場合は、適度な速度で進み、3小節目、4拍目のCで一度音楽を停止し、新たに4拍目の裏拍からスタートして、音のクラッシュを避けるか、どちらかにしてください。

執筆者: 大井 和郎
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